ゴルフ男完結編 【師範代Mプロ登場】・・24

ゴルフ男

M 「よっし、今日は個人レッスンの実地教育をやる。生徒役を
フロントのA子ちゃんにやってもらうから、おまえたちが
20分のレッスンをしてみろ。じゃあまずゴルフ男が教えろ」
A 「よろしくお願いしま~す♪」
俺 「では打ってください!」
M 「バカ、いきなり打たすのか?まず挨拶してから、ゴルフ経験や
お悩み等の話から入らなくちゃ!」
俺 「じゃ、じゃあ・・た担当のゴルフ男です。ゴルフの経験は?お悩みは?」
A 「まだ始めて1年くらいで~す。悩みはゴロばっかりです」
俺 「ではドライバーでかっとばしてみてください」
M 「バカ、特に指定が無い場合は7Iくらいで打ってもらえ」
俺 「では7Iで打ってください」
A 「はい、パシ、パシ、パシパシパシ・・パシパシパシパシ・・」
M 「おい、いつまで打たすんだよ20分たっちゃうぞ」
「だいたい5球くらいまででレッスンに入らなきゃ」
俺 「ご、5球でスイング見極めるんですか?!」
M 「そうだ、5球で20分の筋書きを立てなきゃダメだ」
俺 「・・・・・・・・・」
「で、では・・ゴロが出るのはすくい打ちが原因ですから、
腕の振りをもう少し・・」
M 「バカ、腕の振りより先に直すところがあんだろ~」
「A子のアドレスを見て何も感じないか?」
俺 「えっと~、ぐ、グリップがちょっと・・」
M 「バカ、まずポスチャーだろ。ポスチャー悪くちゃ正しい握りを
教えても上手く握れないだろ」
俺 「・・・・う、うえ~~ん!」
M 「はい失格~!明日追試ね~!」

れ、レッスンって予想以上にむつかしいっす。なんか手も足も出ません。
自分が上手くってもレッスンって簡単にはできないってギリプロが言ってた
けんど、身をもって理解しますた。

で、翌日再試験っす・・

M 「おめえらはな、動きばっかり教えたがるが、土台である構えが
優先順位であることを忘れるなよ」
「わかりやすく言えばな、逆立ちしてるヤツにゴルフ教えようと
思えばまずは逆立ちをやめてもらうだろ?これだってポスチャー
の修正だぞ。2ちゃんあたりの知ったかコピペゴルファーだってそうする
だろ?まずはスイングしやすい土台を作るってことはとても大事な
ことなんだぞ。」
俺 「へい、わかりますた~!」
M 「じゃあ再試験な。今日はハンデ5のフロント主任に生徒役をやって
もらいます」
主 「それじゃよろしく・・」
俺 「ではお悩みをひとつ・・」
主 「う~んそうですねえ、たまに引っ掛けが出ますね」
俺 「じゃあ7Iで・・」
M 「そういう場合はどんなクラブで引っかかるか聞け」
俺 「は、はい、どんなクラブで・・」
主 「アイアン全般ですね」
俺 「じゃあとりあえず7Iで・・」
M 「OK!」
主 「ぱし、ぱし、ぱし、ぱし・・」
俺 「はい結構です。グリップがややフック目なんでそれを・・」
M 「ばか、ポスチャー、グリップきれいじゃん。この人は切り替えしで
肩が下がってるのが根本原因だ。大体ハンデ5の人のグリップ
いじるのにそんな気楽に言うなよな、ボケ。はい失格で再試ね」
俺 「はは・・やっぱ人によって変わるのね、教え方・・」

やっべ~です、再試地獄に陥ってます。今度はどんな生徒役に当たる
んだろ~か。まったくもってレッスンはむずいよ!

 

M 「さて、今日の再試の生徒役は、近所のX大学の寮から野球部
の選手に来てもらった。じゃあ開始」

え?これちょっと前の俺みたいなやつなんじゃないの?で・・

俺 「ご経験は?」
野 「いえほとんどないっす」
俺 「じゃあとりあえず7Iで自由に打ってみてください」
野 「ぱし、ぱしぱし・・」

う・・こいつ1年前の俺みたいにかな~り横ぶり。

俺 「じゃあ取り合えず構えを直したら、剣道の振りの真似をしてみて
ください。そうそう、かついでおろす・・」

ってやってたらゴロばっかりだったのが球が上がりだしたっす。

俺 「なかなか良くなりましたね。今日は時間なので終わりますが、
あなたの悪いところは横に振ろうとしてシャフトが寝てしまって
るところです。それを縦の動きを入れて修正しました。実際に
球が上がりましたね。この感じで練習して見てください。」
M 「ん~ん。なんか妙にいいレッスンだったなあ。仕方ない、合格!」

はは・・やっと合格っす。それにレッスン誉められますた。つ~か、
茨城の師匠が俺にしてくれたレッスンやっただけだもの。まあとにかく
一歩前進っす。次は何が待ち受けてるのだ?

 

M 「さ~て、個人レッスンの基本的なセンスが身についた訳だが、
おまえらこれで安心してたら大間違いだぞ。日々研究汁!」
俺岡「う~っす、がんばりまっす!」
M 「では次はスクールレッスンの勉強をしてもらう」
「スクールレッスンで一番大切な事を言ってみろ」
俺 「え~と・・基本の習得っすか?」
岡 「理論とかマナーとかの勉強かな・・」
M 「まあ間違いではないがもっと大切なことがある」
俺岡 「それはなに?」
M 「それはな、楽しい雰囲気を作ってやるってことだ」
俺 「はあ・・」
M 「スクールは1クラスに多い場合は10数名在籍する。
ゴルフも大事だがクラスの雰囲気を作ってやるのもお前たち
の仕事だ。継続率にも反映するからな」
岡 「具体的に良い雰囲気を作るにはどうすれば・・」
M 「まずスマイルそして気の利いた会話だ」
「これからしばらくその辺の訓練をしたいと思う」
俺 「にこ・・にこ・・はは・・」

う~ん、やっぱりスクールともなるとゴルフだけじゃダメなんすね。
これからどんなことやらされるんだろ?

 

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